元素の学校とは、生徒は元素、先生は元素の発見者です。生徒達は頭に元素記号をつけ、金は金色の服を着た女神、鉄は鉄の鎧を着た番人のように、名前、色など特徴がわかるかわいいイラストで描かれています。
小学校1年生位から楽しめる化学の入門書といえる絵本ですが、中学生、高校生にこそ読んで欲しい本です。というのも、元素の周期表を作り上げるための科学者達の苦労が詳しく説明され、元素研究への興味がそそられる本でもあるからです。
先生達は、大変熱心に研究し、学校をよくするために尽くしました。兄弟のように似た性質の生徒達に注目し、生徒を体重(原子量)や体の大きさ(原子容)をもとに並べたりして、周期があることに気付きました。さらに他の生徒と友達になる力(原子価)と重さ(原子量)をもとに座席表を作成したり、X線を使って体の検査をしたりして、生徒(元素)の構造や特徴を明らかにしました。分光分析という方法で、他の元素と手をつないで遊ばない変わった生徒達もいることも発見しました。
元素の名前の由来についても説明され、この絵本を読むと、周期表が大変便利で身近なものに感じられることでしょう。科学のたんけん・知識のぼうけん全8巻シリーズの第一巻です。第二巻の『原子の冒険楽しい授業』台所料理と理科実験も、分子について考えるきっかけとなる絵本です。
科学読物研究会 渡辺貴子