相対性理論のたいていの解説本は、できるだけ数式を使わないようにしています。読めばわかる、ように配慮されているのです。ところがそのために、同じような相対性理論の本を何冊読んでも、式の部分はもやもやのままです。自分がちゃんと理解できているのかどうかもあやしくなってしまいます。
この本はそんなもやもやが残ってしまう人にお薦めです。特殊相対性理論の中に出てくる有名ないくつかの式を実際に計算して求めてみようと優しく導いてくれます。そして、著者はその経験を友達に広めることを勧めています。そうすればもっと相対性理論が理解できると言っているのです。
高校数学の知識があれば大丈夫という言葉に励まされて、いざ挑戦! まず最初は、相対的に動いている人と止まっている人の時間は同じではないことがわかる式です。なんとピタゴラスの三平方の定理を使うだけで簡単にできました。次はローレンツ変換です。これは行列を使って計算することができました。難しいと思っていた式も自分で解いてみると、もやもやがうそのように消えて納得できました。
友達に伝えると感動してもらえることまちがいなしです!ぜひ挑戦してみてください。
科学読物研究会 森裕美子