「物理は好きですか?」と聞かれたら「難しそうだから苦手」とか、「授業が面白くなかった」という人がたくさんいると思います。でも苦手という人も、車はもちろん、オートバイや飛行機、高速モーターボートやジェットコースターなどは好きですよね。たとえば車でサーキットを走ると、自分の周りでいろんなことが起こります。加速時にはシートに押し付けられ、急ブレーキをかけると、体は前に吹っ飛びます。そこにはいろんな力が関わっていて、それこそが「物理」なのです。
また、りんごが木から落ちるとき、あるいは落雷したときに何が起こっているのか答えを教えてくれるのが物理の法則です。
その他、物理は宇宙をかたちづくる、想像もできない小さなものから広大な宇宙の広がりまで、すべてのことについて教えてくれます。
この本では、物理のはじまり、力を感じる、物質とはなにか、光と色などについてがわかりやすく、楽しく書かれています。
物理のはじまりのページでは、3000年前のギリシャの時代からニュートンの時代までが中心に描かれた年表と共に解説されています。たとえば、アリストテレスはちょっと変わり者だったとか、古代ギリシャ人たちは、宇宙の星は巨大なガラスの球にくっついていると考えていたなどです。
力については、ニュートンの運動の3法則の他、「飛行機はどうして宙に浮いているか?」「ゴルフボールのくぼみはなぜ?」などや、「釘のベッドに横たわる?」など面白いテーマもあります。
物質のところでも、「風船はどのようにして破裂するのか?」「雨粒はどんな形か?」などやテレビの番組でも紹介されたことがある「カスタードの上を歩く?」などについても説明しています。高校生の時の物理のテストの問題に「空の色はなぜ青い?」というのがありました。この本ではこのテーマについてもわかりやすく説明しています。当時、この本があったら良かったのにと思いました。
どのページも絵や写真を効果的に使ってわかりやすく説明しています。物理が嫌いな人も物理に興味を持つようになると思います。
皆さんもこの本で物理の不思議を楽しんでみてください
科学読物研究会
岩田 真弓