2011年、10歳の女の子が誰も気づいていない超新星を発見した。土星の輪の厚さはバスの長さほどしかない。宇宙のトイレは20億円もする・・・。こんな「えっ?!」と驚く情報が満載です。100の項目に分かれいて、どの項目もインフォグラフィックスという方法で、情報やデータを目で見てすぐにわかるようにしてあります。楽しくゆかいなイラストが理解を深めてくれるので、文字が読めない幼い子どもから、内容によって大人も十分楽しめるでしょう。
たとえば、「誰にも見ることができない物質が・・・銀河をまとめている。」の項目では、ダークマターの働き、なぜダークと呼ばれるのか、重力と引力のちがいなどがわかりやすく説明されています。また、アポロ11号が月から地球に戻る前に、180,000kg以上のゴミを月においてきて、その中には歯ブラシやカミソリ、おしぼりや1枚の鷹の羽、2ドル紙幣100枚なども含まれているそうです。
考えさせられたのは「それができるからといって・・・それをしなくてはならないわけではない。」の項目です。宇宙探査に関して、検討すべき倫理的な問題を紹介しています。宇宙探査にかかる莫大なお金をほかの問題解決に使うべきではないのか、長い宇宙飛行で宇宙飛行士の命を危険にさらすべきだろうか、宇宙ゴミを増やしたり、他の惑星に地球から微生物を持ち込んだりして汚染するかもしれない、地球外生物の進化を止めてしまう危険など、見落としがちな新たな視点が紹介されています。
本の最後には索引もあるので、いろいろ調べるときに便利です。
今の子どもたちにとって、宇宙はもっと身近な場所になっていくことでしょう。この本は、楽しいイラストをみながら、宇宙に関しての知識を深めることができます。ぜひ親子で本を広げてください。
科学読物研究会 坂口美佳子