誰でも子どものとき、落ち葉の上を駆けまわったり転げまわったり、風に舞う落ち葉と一緒にダンスを踊ったことがあったろう。誰でも若い父親や母親になったとき、幼子の手をひいて落ち葉がかさこそなる雑木林を歩いたことがあったろう。
『おちば シャック シャック』を開くと、そんな昔の思い出がふわーっと立ちのぼってくる。あの日の落ち葉の匂い、カサカサと乾いた手ざわりや陽で温められた葉のぬくもりまでもが、感じられる。
落ち葉と遊ぶ・・・もし、まだそのような幸せな時を持ったことのない小さな子がそばにいたら、ぜひこの本を開いて、一緒に葉っぱの匂いを感じてみよう。もちろん、その後はこの本を持って雑木林へ。降り積もった落ち葉とたわむれるために。落ち葉のプールにねっころがって、抜けるような青空を見るために。
科学読物研究会 小川 真理子