図書館から学童クラブに借りてきた本の中で、子どもたちが手に取る回数の多かった本です。気付くと広げて子どもたちが「読んで」いました。
この本には「宝石とは美しい鉱物のこと」と書かれています。きれいな「宝石」の本だけでなく、「鉱物」の本でもあります。宝石ごとに鉱物としての特徴やでき方、歴史上のエピソードが書かれています。鉱物ではないけれど真珠や琥珀、そして模様の美しい岩石も紹介しています。写真やイラストがたくさん使われています。
子ども達の「読み方」はほとんどがパラパラとめくり、その後「うつしがみ(トレーシングペーパー」の棚に向かいます。いろんな色の宝石を写し、色を塗って図鑑のようなものを作る男の子。宝石をキャラクターに見立てた絵を描く女の子。「何月生まれ?」と聞くと、まずは、誕生石の一覧ページをめくり、9月生まれはサファイア・・と次はサファイアのページをめくり、サファイアを写して色を塗ります。ワイワイおしゃべりしながらそのページを読みます。私にもルビーを写して描いてくれました。
「花壇に宝石があったよ」とキラキラしたカケラを集めてきた一年生の男の子。そこでこの本を一緒に見てみました。「花壇に使われる黒雲母?」というタイトルの記事があり、うれしそうでした。小さなビニール袋に入れて、文章をうつしました。
キレイであることは、子ども達の心や目をひきます。美しい宝石の本だからこそ、いろんな子どもが手に取るのだと思います。美しさを入口に宝石を身近に感じ、宝石は「鉱物」でもあることを知る入口となる図鑑です。
科学読物研究会 菅原由美子