キュッパは丸太の男の子。いろいろなものを集めるのが大好きで、散歩しながら森に落ちているものを次々に拾います。家に帰って拾ったものを床に広げると、木の実や枝や葉、ボタンに鉛筆、眼鏡に手袋、ネジや切れたホースまで! 見開きいっぱいに細かく描かれたキュッパコレクションに、びっくりワクワクさせられます。
そうして集めたものを、キュッパは百科事典で名前を調べ、分類をし、ひとつひとつにラベルをつけていきます。それらをしまう場所がないとわかると、おばあちゃんと相談し、博物館を開くことにするのです。ポスターや看板を作って宣伝すると、キュッパの博物館を見るために集まった人々で長い行列が出来ました。
その次には、写真を撮って記録をし、図録を作ります。集めたものは、森に戻したり、リサイクルしたり。中には芸術作品に生まれ変わるものもありました。
博物館の学芸員さながらに、集めたものを分類したり、記録をつけたりするキュッパが、頼もしくてかわいいです。集めたものひとつひとつが、どんなところにどんな様子で落ちていたかを説明できるなんて、立派な研究者ですね。
「またガラクタを拾って〜」といつも言われている子どもたち、いつも言っているお母さんやお父さんにおススメしたいような、楽しい絵本です。
科学読物研究会 五味 紀子