降ってくる雪を虫眼鏡でのぞいてみると、結晶が見えます。この美しくいろいろな形の結晶はどのようにしてできるのでしょうか。
風に吹かれて舞い上がったほこりや灰などのちりが冷やされて水蒸気がくっつくと、氷の粒になります。氷の粒が凍って丸い粒に。さらに水蒸気がくっついて六角形に、また水蒸気がついて角が枝のように伸び、雪の結晶が出来上がります。結晶は大きく重くなると地上に落ちてきます。雲の中で成長し続け、雲を抜けると成長は止まります。
結晶の形は雲の中の湿度や気温で決まり、ひとつひとつ違った形になります。星印のような形を樹枝状結晶、六角のドロップのような形を角板結晶、筒のような形を角柱結晶といいます。どの結晶も6角形なのはなぜでしょう。それは水の分子の配列が6角形になっているからです。
雪の結晶を観察してみましょう。雪を受けるために冷やした黒っぽい板と虫眼鏡を用意します。雪が降ってきたら板で受け止めて、その中の小さい雪に注目してみましょう。虫眼鏡でじっくり観察すると世界で一つしかない雪の結晶にあなたも出会えるはずです。
世界で初めて人工的に雪の結晶をつくった中谷宇吉郎は「雪は天から送られてきた手紙である」という言葉を残しました。
科学読物研究会 伊丹弥生