『大きい』という言葉には、『少し大きい』ものから『すごく大きい』ものまで本当に色々です。私たちの日常で使う1mから始まって、1ページずつ本をめくるごとに、長さを10倍ずつ大きくした世界を見せてくれるのがこの絵本です。ビル、雲、月、太陽、1光年、銀河系、銀河群と続き、最後のページは100億光年の彼方まで広がります。
「小さな小さなせかい」の本では、10分の1ずつどんどん小さくなっていき、小動物、細胞、ウイルス、分子、原子核、クォーク、そして量子宇宙の世界まで連れて行ってくれるのです。とてつもなく大きかったり、小さかったりすると、本当の大きさの違いがとてもあやふやになるものです。わからなくなったら調べるのに便利なこの本は、手元に置いておきたい一冊です。
冥王星が惑星でなくなったというニュースやナノテクが急速に産業界でにぎわっている記事を読むと、私たちのかかわる世界はなんて広いんだろうと思ってしまいます。
科学読物研究会 森 裕美子