国立天文台「すばる望遠鏡」を知っていますか? 世界最大級の天体望遠鏡で、ハワイ島のマウナケア山の山頂にあります。最高の技術を集めた「すばる望遠鏡」を使うと、人間の目では絶対に見ることができないような、かすかな星の光を集めて、今までだれも見たことのない宇宙のすがたをとらえることができるのです。
この本では、「すばる望遠鏡」を使って観測した、太陽系のいちばん遠くにある小天体や、地球からもっとも遠い銀河など、最新の宇宙の情報が、カラー写真と、宇宙への熱い思いが伝わってくる文章で紹介されています。
銀河の写真では、「うず巻き銀河」「爆発銀河」をはじめ、今まさに衝突している2つの銀河なども紹介されています。
また、1円玉のアルミニウムや鉄は成長する星の中でつくられ、金、銀、銅は星が死を迎える爆発の中で作られるという話も出てきます。私たちの生活や身の回りのものは、宇宙に深く関係していることがわかります。
宇宙少年だった著者がどのように天文学者になれたか、そのエピソードは、自分のこれからを考える子どもたちへ良いメッセージになると思います。
現在準備されている、たくさんの宇宙研究計画の主役は、今の子どもたちです。この本を読んで、きっとあなたも天文学者になりたいと思うでしょう。
科学読物研究会 吉長 聡子