太陽から地球に届く光や熱は、雲、雨、川、風とさまざまな地球の自然現象を作り、人間はこれを利用して地球のほとんどの電気を生み出します。
太陽の光はまた、植物をそだてます。光合成により生まれた豊かな実りは、私たち動物に欠かせない酸素や食物を作ってくれます。さらに土に還った植物は地中深くで、また別のエネルギーなっていきます。『わたしのひかり』は、作者が自宅にソーラーパネルをつけたことで太陽エネルギーと電気について関心を持ち著された本です。巻末の詳しい解説の内容は高度で豊富です。
二冊目の『いきているひかり』は、前作で触れた光合成に焦点を当てます。太陽の光は地球の生き物の命を植物の光合成を中心に支えています。この仕組みが、いきいきとした絵で説明されています。
太陽の光、空気、水、そこから生み出される糖。糖は私たちの中に取り込まれ、新たなエネルギーとして活かされていきます。この太陽をもとにした不思議でダイナミックな循環への、そして私たちの命そのものへの感動は、『わたしのひかり』で電気を中心に書いた作者が、さらに述べておきたかったことなのかもしれません。色鮮やかに描かれるたくさんのいきものたちは、小さな子も喜ばせてくれそう。巻末の詳細な解説は二冊とも、おとなも学ぶものが多いことでしょう。
科学読物研究会 かしわざきひさこ