皆さんは「縄文時代」といえば、どんなイメージを持つでしょうか。縄文時代は約1万5千年前から、なんと1万3千年ほども続いたと言われています。その時代の遺跡から「縄」目の「文」様がある土器がたくさん発掘されるのが、縄文という名前の由来です。遺跡からは土器以外にも、土偶(土製の人形)やアクセサリーといった生活を彩る道具類も多く見つかるなど、当時の人々は想像以上に文化的な生活を送っていたようです。
本書は、そうした時代を生きた「縄文人」の生活や文化について、様々な角度からアプローチしている研究を紹介する本です。
そう聞くと少し難しそうに感じるかもしれませんが、決してそんなことはありません。小学生の「あっきー」と土偶大好き女子の「こんちゃん」が、色々な研究者に会いに行くという構成で話は進むのですが、対話部分はすべてマンガ形式で描かれているので、難しい研究内容でもわかりやすく、楽しんで読み進められます。その他のページにもイラストや図がふんだんに使用され、縄文になじみがなくても十分に楽しめる内容です。
「今の日本人と縄文人にはどんなつながりがあるのか」「縄文人はなにを食べ、どんな植物を利用したのか」など、様々な疑問の答えが「あっ!」と驚くような方法で明らかになりますよ。この本を読めば、遠い存在だった縄文人をもっと身近に感じられることでしょう。小学校4年生くらいから、ぜひ手に取って味わってほしい本です。
(科学読物研究会 櫻庭周太)