岩波ジュニア新書というと、自分の好きな分野ならまだしも、ちょっとむずかしくて、とっつきにくいなぁ、と思っている方はいませんか?この本は開けてみると、まずびっくり!(うれしい?)マンガです。
主人公の猫たちは、宇宙が大好き。「ニャンで?ニャンで?」と知りたがりやのこねこタンメンと、もの知りねこビーフンが、宇宙旅行の計画を立てるところから始まるのですが、出発までが大変です。宇宙のことを調べなければいけません。タンメンは、流星群や日食や月食の観察の仕方をビーフンにおそわります。また、ロケットの飛ぶしくみも調べます。重力のところでは“ニュー豚”(ニュートン)なんていう登場人物も出てきます。
宇宙旅行を成功させるための、実験もやります。かさ袋を使った夕焼けが赤く見える仕組み、野菜とフィルムケースを使った打ち上げロケットなど、タンメンとたくさんの実験をして、さあ、いよいよ宇宙に出発です。
宇宙に出てからも、真空がどんなことかを風船を使って調べたり、火星が赤いことから、使い捨てカイロの秘密を調べたりと、なかなかいそがしい宇宙旅行です。あとは、きれいな天体や、火星の表面の写真を見ながら、宇宙旅行を楽しんでください。
身近なもので、できる実験がたくさん出てくる、夏休みおすすめの本ですが、先生といっしょにやるように指示があるものもあるので、気をつけてください。
このマンガでの宇宙旅行は太陽系の惑星までですが、タンメンのようにちょっと物足りない、さらに遠い宇宙のことも知りたい、と思った方には、同じジュニア新書の『カラー版天文学入門』がおすすめです。
科学読物研究会 津久井 優子