◉1冊目『はじめてのうちゅうえほん』
「空の先には何があるの?」「どうしたら月に行けるの?」そんな子どもたちのつぶやきに語りかけるように答えてくれる一冊。
太陽系の特徴や流れ星のヒミツ、私たちが住む地球のことまで、かわいいイラストで教えてくれる。
今年の7月下旬、明け方の空に太陽系の惑星が勢ぞろいした。みなさんはこの機会に惑星観察ができただろうか。(坂下智婦美)
◉2冊目『なつのほし』
街中では肉眼で見ることが難しい天の川。一方、街中でも楽しめるのが夏の大三角形。それを形づくる3つの星の解説や物語が紹介されている。
一晩じっくりと星を眺めるのもいいけれど、著者がおすすめするように、星のめぐりを日々観察してみてほしい。(坂下智婦美)
◉3冊目『星座を見つけよう』
絵本『おさるのジョージ』で有名なH・A・レイによる、星座を見つける本。
まずは星座と星の並びを確認して、クイズのページで星座の名前や形がわかるか試してみよう。「家のそとで星をみるには」で星を観察するポイントをチェックしてから、夜空を見上げてみてほしい。(坂下智婦美)
◉4冊目『星空を届けたい』
星に興味を持ったらプラネタリウムにもいってみよう。その日の星空や星座の探し方、星にまつわる伝承など、工夫を凝らした解説がある。
著者はオーロラへの憧れや多くの人々と出会いをきっかけに、プラネタリウムの仕事に就く。さらに病院などでの「出張プラネタリウム」を始める。著者の星々への熱い思いが伝わる一冊だ。(坂下智婦美)
◉5冊目『にゅうどうぐも』
夏の雲といえば入道雲。もくもくと伸び上がった雲が対流圏と成層圏の境まで達すると、それ以上は上昇できず横に広がっていく。その様子が子どもにもよくわかる言葉で書かれている。
入道雲の発生から雷雨、雨上がりへといたる絵は、縦開きの一面に描かれていて圧巻だ。(坂下智婦美)
◉6冊目『くもとそらのえほん』
季節や日によって変わる雲。その一つひとつには名前がついている。「あ、レンズぐもだ」「おぼろぐもかな」などと話せたら最高だ。
見開きごとに、いろいろな雲が町や動物園、田畑や山などと共に緻密に描かれている。雲は人々の暮らしとも大きな関係があるのだ。(坂下智婦美)
◉7冊目『天地のドラマ すごい雷大研究』
「もくもく雲」と呼ばれる入道雲。その中で雷が発生するしくみや雷の種類、観察方法などが詳しく書かれている。
子どもが理解しやすいように工夫された絵と丁寧な説明は、日本の子どもの科学絵本の第一人者ならでは。(坂下智婦美)
◉8冊目『空の探検記』
この本を手に取ったら無作為にページを開いてみよう。美しい写真と解説を通じて、雲だけでなく、氷や雪、夜空や外国の空のことまでどんどんわかるだろう。
特に、同じ場所の午前9時の様子を撮影し続けた「空の365日」には、1ページに1カ月の空の写真が載っていて圧巻だ。
空を通じて日本の四季の移り変わりが一目でわかる、新しい発見に満ちた一冊。(坂下智婦美)
◉9冊目『知って楽しい花火のえほん』
残念ながら今年は中止となった花火大会も多い。こんな時こそ本で花火を楽しもう。
花火玉の断面図が載っていて、2種類の火薬の詰め方の違いや工夫がよくわかる。江戸時代に始まった花火の歴史や、祭りで打ち上げられる伝統花火も紹介されている。
おうちで花火をする時の「花火遊びのルール」もちゃんと読んでおこう。(坂下智婦美)
◉10冊目『花火の大図鑑』
表紙をめくってまず目にとまるのが5つのクイズ。結構難しいが本文を読めば納得だ。
巻頭の「花火写真館」には、各地の花火大会の大きな写真が載っている。その先には、この美しい花火がどのように作られ、打ち上げられるかの説明がつづく。
『大図鑑』というだけあって、花火大会のプログラムの組み立て方や撤収作業までも紹介されている。「花火の鑑賞のポイント」「花火の撮影のポイント」もぜひ参考にして欲しい。(坂下智婦美)
――「科学道100冊」特設サイトから転載