異常気象とか気候危機という言葉が連日のように聞こえてくる昨今ですが、そもそもどういうものを異常と言っているのでしょう。
本書ではまずお天気とか気候というものがどのようなものなのかというところから説明してくれています。寒さ暑さはどうして起きるのか、世界にはどんな気候があって、それはどうしてなのか、ヒートアイランド現象とは……。
それにしても、原初の頃から現在まで、地球というのは生きものにとってなんとも住みにくい場所だったのですね。それが長い年月をかけて、徐々に今のような、多くの生き物が棲める地球に変わってきたのです。
これからも、何百年も後には今よりもっともっと暑かったり冷え込んで地球全体が氷に包まれたりすることがあるかもしれません。ただ現在、これまでに無いほどの早さで気温が上昇していることが多くの気象現象を狂わせているというのです。アイスキャンデーの色の変化でそのことを表しているのがとてもわかりやすく、おいしそうなのですが実際には恐ろしいのですね。
現在の気温上昇は主に人間の活動が引き起こしているものです。これ以上の気候異常を引き起こさないために私たちは人間として何ができるのだろう、本書の呼びかけを参考に、具体的にできることを考えていかなければと思いました。
科学読物研究会 小川真理子