人類がアポロ11号で初めて月に行ったのは、今から50年前のこと。1969年7月21日に2人の宇宙飛行士が月に降り立ちました。1961年から始まった月面探査のアポロ計画は、アメリカ航空宇宙局による「月に人間を着陸させて、地球に安全にもどす」というもので1972年まで続きました。この間に、アポロ11号から17号まで、13号をのぞいて、全てのロケットが月面に着陸しています。
この本には、「月におりたった人びと」というページに、何号の月着陸船が月面のどこに着陸したかが丸々1ページを使って大きく描かれています。このページを見せると、子どもたちの目が光ります。宇宙の科学あそびをするとき、ブックトークをするときにこの本は欠かせません。
この本は、アポロ計画の結果をもとに書かれています。そのため、水がどのような状態で月に存在するかなど、その後分かったこととは少し違う説明もありますが、月の様子を幼い子どもも楽しく知ることができるように工夫されています。月面がどのような模様に見えるかという問いかけから始まり、ソフトな色合いの絵と宇宙飛行士が撮ってきた月面の写真とともにわかりやすい文章で紹介されています。地球から一番近い天体である月について、クレーター、温度、重力、空の様子など、地球との違いとその理由も説明されています。
また、月のクレーターをつくるミニ実験の紹介や、日本語版解説もあります。そして最後のページには、クレーターだらけの大きな三日月が「きみたちが くるのを まっているよ」と楽しく描かれています。
この本は残念ながらもう新しく購入できません。図書館でさがしてみてください。
科学読物研究会 坂口美佳子