たのしい科学あそびシリーズは全15巻で、牛乳パックやポリ袋など、どこにでもある身近な材料を使った実験や科学の工作が紹介されています。子どもが実際にできるようにていねいに書かれているので、自由研究の強い味方にもなってくれるシリーズです。子どもが興味を持ったところは、さらに発展させることもできるような配慮もされています。私も、子どもとの科学あそび講座や、大人対象の本の講座でこのシリーズを必ず紹介しています。
この『カガミの実験』には13項目にわたっていくつもの実験や工作が紹介されています。さらに、実験や工作の方法だけでなく、作ったものの遊び方、科学的な解説、歴史などにも言及しています。例えば、万華鏡の項目「なんときれいな万華鏡」のページでは、万華鏡の作り方ばかりでなく、遊び方、鏡の角度を変えるとどのように見えるのか、なぜ、三角柱の形が多いのか、万華鏡は1816年、今から200年前にイギリスの物理学者ブルースターが発明し、日本には江戸時代に伝わったという歴史、現在の新しい工夫の万華鏡までも紹介されています。
万華鏡の美しさは、誰もが知っていることですが、この本で紹介されている三角錐の万華鏡にはきっと驚くはずです。のぞくとまるで、きれいな丸い花束のように見える不思議な万華鏡です。さらに、魔鏡、光の反射、水鏡など、興味深いことも紹介されおり、子どもばかりでなく年齢を問わずに楽しめるでしょう。
絶版なので図書館で借りて、冬休みにぜひ親子で楽しんでみてください。きっとふしぎな体験ができるはずです。幼い子どもには『かがみ』だいすきしぜんシリーズ、立花愛子/指導、フレーベル館も楽しいでしょう。
科学読物研究会 坂口美佳子