私たちにとって、宇宙はとても身近なものになりました。インターネット上にも毎日のように情報や映像が流れ、宇宙の姿を知ることができます。では、私たちは自分の目で実際に宇宙を見ることができるのでしょうか?
古代の人々は「皆既日食」を見て、恐れおののき大地にひれふしたと言われています。現代の私たちは、日食が自然界の現象だと知っているので、それを『感動』として心に残しておくことができるようになりました。この本には、安全な観測のしかたがていねいにまとめられています。
月と太陽、日食と月食の観察ばかりでなく、惑星、彗星と流星群、星座と星の観察、それに、観察のときに使う双眼鏡や望遠鏡についてもわかりやすくまとめられています。また、素晴らしいカラー写真で、天体の姿やその動きを伝えています。宇宙を知ることから始まり、さらに自分の目で見ること、観察することを大切にした貴重な一冊といえます。
また、文章には全てルビがふられ、小さな子どもたちに天体の楽しさを伝えたいという著者のメッセージが伝わってきます。子どもと一緒に読む、子どもからの質問に答える、また自分の疑問の答えを見つけるにも最適です。
都会の空はなかなか星が見えなくなったと言われますが、それでも条件の良い日は夜空がとてもきれいで「都会でもこんなに星が見えるのか」と嬉しくなることがあります。本書には日食、月食、そして金星食などが「いつどこで起きる?」として今後見られる日にちや場所なども記されています。
ぜひ、皆さんもこの本を片手に宇宙を楽しんでみませんか?
科学読物研究会 斎藤晴美