天気について最後に紹介するこの本は、大気の流れや海流、世界の気候図など、地球規模で説明している点が特徴です。全体は5章からなっていて、各章を書いているのは、5人の気象予報士です。
天気図の見方と書き方(第3章)や、天気予報(第4章)について詳しく書かれているのはそのせいでしょうか。同時に気象観測システムをつかった科学的な予測だけでなく、「観天望気」といって、昔から伝わる天気のことわざも紹介しています。「夕焼けは晴れ」、「ツバメが低く飛べば雨が近い」など、ことわざにもちゃんと根拠があることが書かれていて面白いです。
また、「雲を作ってみよう!」、「雪の結晶を作ってみよう!」など
の「やってみようコーナー」が所々にあり、ペットボトルなど身近な材料を使った実験も紹介されていてやってみたくなります。
最後の第5章「環境と天気」では、異常気象、オゾン層破壊、酸性雨、地球温暖化、エルニーニョ現象、黄砂、砂漠化など最近話題になっている現象についてそのしくみを説明しています。身近に置いておきたい1冊です。
科学読物研究会 福田晴代