◉1冊目『月へ アポロ11号のはるかなる旅』(偕成社、2012)
月に降り立ったアポロ11号、この本には、その発射から地球への帰還までがていねいな絵で描かれている。今、改めてその偉業を見直してみて、新たな夢を掻き立てられる。月面に降り立ったアームストロング船長が振り返って仰ぎ見る青い地球……、その絵に人類の未来への希望を感じる。一押しの絵本。(坂口美佳子)
◉2冊目『月へ行きたい』(福音館書店、2014)
今は、超高層ビルの上までエレベーターで簡単に行くことができる。それじゃ、月までは?そんな宇宙エレベーターも夢ではない。この本には、奇想天外な方法も含めて、さまざまな月へ行く方法が紹介されている。もちろんアポロロケットの詳しい図と説明もある。これから人類はますます月に行こうとしているとき、この本は、子どもたちに月旅行の夢を与えてくれるに違いない。(坂口美佳子)
◉3冊目『おつきさまこっちむいて』(福音館書店、2010)
「おつきさまの形がちがってる!」月の形の変化に気づきはじめたお子さんにぴったりの本。この本は細い月から満月まで、だんだん満ちていく月と男の子が主人公。読み終わったら、さっそく月の形を確かめたくなる。
もっと幼い子どもには、おちゃめな満月に呼びかける『おつきさまこんばんは』(林明子/さく 福音館書店 1986年 本体価格:700円)。
小学校低学年には、すっきりした写真とイラスト、簡潔な説明がわかりやすい『月のかがく』(えびなみつる/絵と文 渡部潤一/監修 中西昭雄/写真 旬報社 2011年 本体価格:1400円)もおすすめ。(坂口美佳子)
◉4冊目『ぼくのいまいるところ』(童心社、1988)
『からすのぱんやさん』等でおなじみの絵本作家・加古さんの科学の本。大きな目のアップから始まって、庭、町、日本……大宇宙まで広がって、最後には「だいうちゅうのなかの、ぎんがけいのほしのあつまりの、たいようけいのなかの……そのにわに、ぼくはいまいるのです。」と一気に戻ってくる。呪文のように「だいうちゅうの……」と唱え始める子どもたち。時代を超えて人気の絵本。
親子で楽しむには『宇宙の地図Cosmic Atlas』(観山正見/著 小久保英一郎/著 朝日新聞出版 2011年 2000円)も。国立天文台から宇宙の果てまで10mのx乗でどんどん広がる写真が迫力満点。(坂口美佳子)
◉5冊目『きみは宇宙飛行士! 宇宙食・宇宙のトイレまるごとハンドブック』(偕成社、2018)
宇宙飛行士やそのミッションを助ける人になりたい子どもにうってつけ。選考、訓練、出発、帰還について、順を追って具体的にイラストとともに紹介されている。たとえ宇宙飛行士の条件に合わなくても、宇宙に関わる仕事はたくさんあることもわかる。
もっと幼い子どもには、すっきり明るい絵の『うちゅうひこうしになりたいな』(バイロン・バートン/さく ふじたちえ/やく ポプラ社 2018年 本体価格:1400円)もどうぞ。(坂口美佳子)
◉6冊目『もしも宇宙でくらしたら』(WAVE出版、2013)
誰でも宇宙に行ける時代はすぐそこに。この本は、宇宙ステーションで暮らす小学生のひかる君が、無重力の宇宙での生活を紹介する。トイレも、洗顔も、集団登校、ドッジボールに跳び箱、給食も思わぬ事態に。頭をぶつけて涙が出たら、涙は丸まって目のくぼみにたまるし、血が出たら赤いビーズのようになってくっついたまま。宇宙の暮らしがグッと身近に感じられる。
同じ作者の『もしも月でくらしたら』は、日本の月面探査船かぐやが見つけた巨大な横穴に暮らす小学生が主人公。あわせてどうぞ。(坂口美佳子)
◉7冊目『惑星MAPS 太陽系図絵 もしも宇宙を旅したら もしも宇宙でくらせたら』(誠文堂新光社、2018)
「火星って地球と似てるね!」見開きいっぱいの火星の写真、まるで地球の岩石まじりの砂漠のよう。この写真に子どもたちから歓声が上がる。地球と共に太陽のまわりをまわっている惑星をつぎつぎと旅するメンバーは3人、ゆかいな旅がイラストで紹介されている。ダイヤモンドがふる海王星、土星の北極の六角形のうずも紹介されていて、各惑星の説明も最新データを基にしている。(坂口美佳子)
◉8冊目『宇宙について知っておくべき100のこと』(小学館、2017)
「宇宙探査に莫大なお金をついやすべきだろうか?」この問いへの答えがノーなら「そのお金をほかの問題を解決するために使うべきだ。」、イエスなら「宇宙飛行士たちを長い宇宙飛行ミッションに送ることで、その命を危険にさらすべきだろうか?」と問いは続く。子どものための本では初めて、倫理的な視点で書かれたもので、フローチャートに沿って考えさせてくれる。ほかにも宇宙についての情報がイラストとともに100項目もぎっしり詰まった本。(坂口美佳子)
◉9冊目『ぼくはうちゅうじん』(アリス館、2014)
「うちゅうじん」といっても、宇宙の一員という意味から宇宙を見ている絵本。星座の話から始まって、月、太陽、惑星、恒星、宇宙へと話が広がる。夜空の星を眺める体験とセットで読みたい。
もう少し幼い子どもには、『空のうえにはなにがある?』(マイク・マニング/さく ブライタ・グランストローム/さく せなあいこ/やく 評論社 2005年 本体価格:1300円)。階段からどんどん高いところに上って行って、宇宙まで行って帰ってくるという明るく楽しい本。(坂口美佳子)
◉10冊目『リボンのかたちのふゆのせいざオリオン』(福音館書店、1991)
並んだ3つ星は、オリオン座! 大空の中で星座を見つけるのはなかなか難しいが、オリオン座は一番見つけやすいはず。この本には、幼い子どもとどうやってリボンの結び目にあたる3つ星を探すか、手順がたのしく書いてある。科学や宇宙への興味を広げる第一歩になる。
同じ著者の『スプーンぼし(ほくとしちせい)とおっぱいぼし(カシオペア座)』も続けてどうぞ。(坂口美佳子)
――「科学道100冊」特設サイトから転載