スライム作りは科学あそびの中でも人気もの。その人気のひみつは、簡単な手順でのりと水を混ぜたものがドロドロの正体不明の「スライム」に変化すること、そしてあの感触でしょうね。でもなぜこんな変化がおきるのか?正体はなにでしょう。磁石につくスライム、絵具と食用色素の違い、各種のりの違い、スライムに塩や砂糖を加えたり、人工イクラ作りなど…この1冊でスライムあそびから、実験へと発展していきます。
著者は高校の化学の教師、PVAのりとホウ砂とで簡単にできるスライムの楽しさにとりつかれ、実験に取り入れています。アメリカの提案者は、大学院まで活用できるとしています。たかがスライム、されどスライムです。
『のりの実験』馬場勝良著/さ・え・ら書房/では、PVAなどのりをつかった実験をはじめ、硬いスライムボールが紹介されています。
科学読物研究会 増本裕江
登場人物のはるお君小学6年生は、自由研究のテーマにスライムを選んだようです。磁石に引き寄せられて形が変わっていく、角出しスライムに出会ってから、すっかりスライムのとりこになってしまったのです。はるお君というのは著者の山本進一氏自身のことに違いありません。なぜなら、スライムへの熱い思いがずんずんと伝わってくるからです。
スライムを作るのは簡単だ、でも遊びながら工夫したり、なぞを解き明かすために頭を働かせ行動することが本当は一番楽しいんだよと、著者は読者に語っているような気がします。スライムを作るところから始めてみましょう。この一冊でスライム博士になれるかも。
科学読物研究会 森裕美子