新型コロナの影響によりオンライン(zoom)による開催となりました。オンラインの良いところで北海道を始め各地から14名の方に参加していただき賑やかな会となりました。
材料の藁は事前に着払いでみなさんにお送りしました。郵送のため藁を折り曲げたりしましたが無事到着!開封後延ばしていただいて元の姿に戻ったようです。A4サイズ3センチまではゆうパケット着払いができるそうでこれは良い方法だと思いました。
「鋏」のしめかざりは静岡県御殿場市神場山神社と関わりがあります。厄炎、悪縁、悪疫を断ち切ると言われていて、今の厳しい状況を断ち切りコロナに打ち勝つということで新しい年にふさわしいこのしめかざりを作ることにしました。またこのしめかざりは左ないの三つ子の縄ではなく三つ編みでできています。子供達と作るときにも三つ編みを知っている子は一人でも作る事ができるので密を避けやすいと思いました。
○材料・道具
①藁 ②鋏 ③ものさし ④床であむので下に敷くシート ⑤麻紐 30センチ2本、40センチ2本、50センチ1本 ⑥12センチ×10、5センチの白い紙2枚(紙垂を作ります)
○しめかざりを作」の
①とっくり結びの練習
藁を結んでいくときこの結びをよく使います。ぎゅっと絞められる結びです。※ネットにもありここでは省きます。
②藁を二つに分ける。
③藁のバランスを考えて真ん中あたりでそれぞれとっくり結び、片結びをする。上の穂先の方を三つ編みしていく。三つ編みの目は7つ、または5つの奇数にする。ア、イ図参照 ④二つの藁をブッチガイ(❌)にして合わせる。合わせ目をとっくり結び、さらにその紐を縦にも回ししっかり留める。紐の残りをひと結びして引っ掛けるところを作る。
⑤紙垂を作る。(下図)
⑥飾りを付ける。
ゆずり葉、ウラジロ、ダイダイ、昆布、十両(ヤブコウジ)、南天、干支など。※見本にはゆずり葉、みかん(橙の替わり)をつけていました。
「災くるな!ー境にこめた願いー」(房総のむら)
房総のむらの災いよけ「綱つり」を紹介しました。「人形」「たわし」「エビ」「お札」「タコ」「サイコロ」などを作ってむらの境に綱を張って下げます。災いが入り込まないよう先人の願いや知恵を知ることができました。
しめかざりは三つ編みだったため早くに仕上げることができました。時間がたっぷりあったこともあってzoomでの分科会はしめかざりを作るということに留まらず情報交換の場にもなりました。聴くという形もいいけれど、間合いをとりながら相互に知っていること、持っているものを出し合うというのはとても楽しいことだと思いました。
「鋏」で災いを断ち切り、withコロナをたくさんの知恵と工夫で乗り切ってまいりましょう。
【参考図書・サイト】
・「しめかざり」工作舎 森須磨子
・「村を守る、ワラのお人形さま」(たくさんのふしぎ)宗方 慧
・房総のむら 「災いくるな!ー境にこめた願いー 」・「綱つり」
【感想】
前回に続き今月もZoomでの分科会で、斎藤晴美さんにハサミの形(ブッチガイ)のしめかざりを教えていただきました。北海道、京都、静岡と首都圏以外の会員のかたたちの参加もあり自己紹介しながらとても楽しい会になりました。
ハサミの形には、「災いや疫病を断ち切る」という意味合いがあるそうで今年にはピッタリのしめかざりです。材料の稲わらは事前に斎藤さんが参加者の自宅に着払いで郵送して下さいました。
Zoomで斎藤さんの手元を大きく映しながらの作業だったのでとてもわかりやすくできました。「とっくり結び」のやり方も斎藤さんがウレタンの棒とロープを使って何回も優しい口調で教えてくださったのですぐにできました。
今回は縄ないはなく三つ編みだったのも作りやすいわけだと思いました。私はこのしめかざりにユズリハやミカンをたして早く飾りたいです。暮れが楽しみになりました。
わらがなかなか手に入らないので、材料を送ってもらってとてもうれしかった、という感想(農協で売っている場合があるそうです)や、しめかざりは使い終わったらどんど焼きなどで燃やすのか、それとも取っておいて次の年も使っていいのか、という質問もありました。元々はその年の稲わらで作るものだが、自分で作った品は捨てられない、手元でずっと大切にしているかたや、取っておいて飾りだけ変えて飾るかたもいるそうです。
「とっくり結び」は海外に通じるか、という話から 二階堂さんが船のロープの結び目サンプルの綺麗な額を見せてくださったり、坂口さんが大人買いのしめかざりコレクションを見せて下さったりと、自宅ならではのZoomの良さも実感しました。 藁の心安らぐ香りと、自分で作った満足感でいっぱいの分科会でした。斎藤さん、Zoomホストの小川さん、司会の藤田あずささん 本当にありがとうございました。 (渡部美帆)