今回は幾何にまつわる本を紹介します。高校生以上の方にお勧めの本です。説明を読むには、ピタゴラスの定理、三角比、相似などの知識が必要ですが、折り紙を折りたいだけで、証明はいらないというなら、小学生高学年の人でも楽しむことができます。ただし、鶴の折り方はのっていないので注意しましょう。
私がこの本を本屋で衝動買いしてしまったのは、「ユークリッド幾何学では作図不可能とされた角の三等分問題と立方倍積問題も、折り紙を使うと解けるのです。古代ギリシャ時代には紙がなかったので・・・」というまえがきを読んだからです。紙のない時代の幾何学!思いもよりませんでした。目からうろこが落ちました。
この本を横に置いて、正方形の一辺を5等分したり、きれいな正五角形を作ってみましょう。また1:tan36°の比率の長方形用紙を使うと簡単に正五角形を作ることができます。これを12個作って正十二面体を組み立てたら、すべての頂点を糸でたどる「ハミルトンの世界周遊パズル」というのも作ることができますよ!
科学読物研究会 森 裕美子