見開きいっぱいに散らばるヒマワリの種、ウズラの卵、ヤママユガの繭、カタツムリ、ウメボシ・・・。表紙、標題紙を含めて、15種類の生物(からつくられた食品も含む)の写真が並んでいます。
本文はすべて「みんなおなじ でも みんなちがう」で、解説は最後のページにまとめて載せられているので、目は自然に写真に吸い寄せられ、じっくり見比べることができます。
アサリの貝殻の模様が違うのは、子どもの頃から、おつゆを飲んだ後などに不思議だなあと思っていました。でも、ヒマワリの種やクワガタムシなどはあまり違いを意識したことがなく、改めて個の違いがこんなにあるのかと驚かされます。翻って、それぞれは違いがあるのに種として同じと認識できることも、改めて考えてみると不思議です。
この絵本を読むことをきっかけに、身の回りの生物をじっくり見比べて、同じところや違いを発見して楽しんでみてはいかがでしょうか。
科学読物研究会 伊藤紀久子