量子論って面白いらしいと人から聞いて最初に読んだのがこの本です。どのページもカラーでダイナミックなイラストで書かれ、説明は短くまとめられています。しかも物理学を全く知らない人でもわかるようにやさしく書かれているのでとても読みやすいのです。
「量子論の世界は摩訶不思議!」ではびっくりすることだらけです。学校で習った、電子が原子核の周りを回っているイメージはまちがっていました。また、真空では物質が生まれたり消えたりしている!とか、トンネル効果といって、電子などのミクロな物質は壁をすり抜けることができる!など、次々に明かされる別世界の話は「へえー」「うっそー」の連続です。
この本の内容は量子論の意味を大まかに説明するものであって、もちろん量子論そのものではありません。けれども科学を根底から覆すようなこの大理論を垣間見るだけで世の中を見る目が変わること間違いありません。
難しそうだからという理由で「量子論」に触れることを敬遠していたら、それはなんともったいないことでしょう。本の扉を開けて、この世界に足を踏み入れてみませんか。
さらに知りたくなった方には、ニュートンムック「無の空間の謎に迫る 真空と宇宙論」がおすすめです。
科学読物研究会 森 裕美子