紙は植物のからだを作っているセルロースからできた「せんい」をすいて出来たものです。著者の大西さんは「どんな草でも紙になる」という言葉に出会ったとき、道端や庭に生える草がみんな紙になるなんて疑問だと考えました。そして早速試しはじめたのです。①異なった植物を混ぜない②草の生える環境からせんいを考える③誰でも簡単に安全につくれる、という三点を原則にして次々に調べていきました。
まずはタマネギの皮、ツクシ、ヨモギ みんなきれいな紙になりました。「楽楽紙づくり」のやり方が写真でよくわかるように書かれています。材料はとってきた「草」とアルカリ性の粉せっけん。あとは鍋とふるいとミキサーと紙すき枠。台所にあるもので簡単に作れます。失敗しながら試していくうちに、草のどの部分からも柔らかい繊維がとれるわけではないこともわかっていきました。
生長時期も考えたり 水切りに工夫したりしてワラビやヒガンバナでも紙が出来ました。キャベツ、ミニトマト、カボチャでできた紙は「ヤギ」じゃなくても食べたくなるくらいおいしそうです。
ヒマワリの花でできた黄色い紙、サルビアの花の赤い紙どれもきれいです。そして草食動物のウンチでつくった紙!思いついたらなんでもためしてみる著者に脱帽です。みなさんもこの夏休みに親子でいろんな紙づくりにチャレンジしてみませんか。
科学読物研究会 渡部美帆