わたしたちは1日何回着替えるでしょう。1回?2回?赤ちゃんなら10回?季節や時間によっていろいろな服を着てすごしています。服は布からできていて、布は糸からできています。ではその糸はなにからできているのかというと「繊維」です。この絵本では洋服についているタグをヒントに繊維の素材について知識を深めていくことができます。
それぞれどのようにして繊維をつくるのか、そしてその繊維の特徴も知ることができます。ウール(羊毛)、シルク(絹)のような自然の素材だけではなく、工夫を重ね、石油から人工的な繊維を作り出してきたことを知ることで、今はまだない未来の繊維についても想像が膨らんでくることでしょう。
ところで、ウール(羊毛)でスーツを1着作るには羊何頭分の毛が必要でしょうか。カイコの繭からとるシルク(絹)で1枚の着物をつくるには繭はいくつ必要だと思いますか。この絵本を読めばその答えを知ることができるだけでなく、大人の読者は「知っているつもり」を深めていく楽しさを感じることができるでしょう。説明文など一部文字が多いので、小学校低学年なら大人と会話しながらなど工夫するとより楽しめるでしょう。
(科学読物研究会 武田真知子)