今月は数学にまつわる本を紹介してきましたが、最終回の今回は、ずばり数学の本を紹介しましょう。けれども、この本は普通の数学の本ではありません。あなたは数学の授業がチンプンカンプンだったことはありませんか。なぜ三角関数は必要なのか、自然対数はなぜ自然対数と呼ぶのか、数学のことばはなぜこんなにわかりにくいのか。
「失敗学」の著書で有名な畑村先生が、こんな「わかりにくい数学」をずばり「わかる数学」に変身させてくれます。この本を書くために現役の大学生達と3時間にも及ぶ講義を何十回も行い、数学への文句、不満、疑問を出し合ったそうです。この本が臨場感にあふれているのはそのためでしょう。読みながらこんなにうなづける本はありません。高校数学が消化不良のままになっている人には絶対お勧めの一冊です。
高校数学がもやもやしている人は「直感でわかる数学」、小学校時代から納得いかなかった人は「続・・・」のほうをお勧めします。痛快この上ないことまちがいありません!! このシリーズはまだまだ続きそうなので楽しみですね。
科学読物研究会 森 裕美子