「もし、すむいえが ないとしたら ひとは くらすのに とて も こまります」。そうです、雨の日は濡れてしまうし、お天気のよい 日は、太陽に照りつけられて困ります。そこで、雨や太陽を防ぐ屋根 をつけました。けれども、風の日は困ります。そこで壁をつけました …。
加古さんがやさしい言葉で、家に必要な機能をひとつずつ問いか けます。屋根、壁、出入り口、戸締り、床、窓…。何もないところか ら、住み心地のよい、便利な家が出来てきます。家は、人が考え、工夫して作った、大きな暮らしの道具であり、暮らすのに便利な道具の集まりです。私たちの 毎日の暮らしは、家があるおかげで成り立っているのですね。あたりまえに暮らしている家 という道具について、それがある意味や役割を、この絵本は教えてくれます。
文章は全部ひらがなで書かれているので、幼稚園や保育園の年長さんくらいから楽しめ ます。加古さんのあたたかくかわいいイラストもよく見てくださいね。家づくりをするのは、 人間ばかりではないようですよ。
科学読物研究会 五味 紀子