みなさんは家が出来るまでの様子を見たことがあります か?この本は、ある一軒の家の建築現場を取材し、基礎工事か ら完成までを順を追って教えてくれる写真絵本です。
まずは基礎工事。職人さんが家を建てる場所のしるしに合わ せて、地面を掘ります。ユンボ(パワーショベル)を使って土 を掘り、地面をきれいにします。そして、コンクリートを流し 入れ、家の土台を作ります。
土台が出来たら、木材で家の骨組みを建てていきます。ここからは大工さんが大活躍。 日本の伝統的な木造建築は、大工さんが重要な役割を担っているのです。大工さんが木 材を切って、家をつくる現場まで運びます。家の骨組を組み上げる「棟上げ(むねあげ)」 の日には、たくさんの職人さんが集まります。家のかたちが出来ると、次は壁や屋根で す。家の中も、さまざまな職人さんが次々に来て、家をつくっていきます。
何もなかった地面に家が完成するまでおよそ 7 ヶ月。どんな職人さんが、どんな道具 を使って、どんな服装で、どんな仕事をしたかが、写真からよく伝わってきます。本当 にたくさんの人の仕事のおかげで、家がつくられるのですね。この絵本で、家にますま す愛着がわくことでしょう。幼稚園生から小学校低学年にお薦めの一冊です。
科学読物研究会 五味 紀子