◉1冊目『つばき』
つばきは、木へんに春で「椿」と書く日本原産の木。古代から神木とあがめられ、いつも日本人の暮らしのそばにあった。
この本では、近所の神社に出かけた子どもたちがつばきの花や葉・実をつかった遊びをおばあさんから教えてもらい、そのおかげでつばきを大好きになる。遊び方の図解もわかりやすいので実際にやってみよう。(篠田木末)
◉2冊目『つくし』
春がくるといちはやく頭を出し、にょきにょきと伸びるつくし。冒頭はおいしそうなつくしの料理が並ぶ。みずみずしい絵と語りかけるような文章から、つくしの生態がよくわかる。
つくしはほうしで増えていく。つくしの根っこをたどっていくと、緑の草「すぎな」とつながっているのも不思議。(篠田木末)
◉3冊目『さくら』
日本の春に、さくらの花は欠かせない。さくらの木の1年間を「わたしはさくら、なまえはソメイヨシノ」と木が自分のことを話す形でやさしく教えてくれている。開花の春から緑の夏を経て紅葉の秋へ、そして寒い冬を越してまた花のつぼみを膨らませていく。最後の見開きページの満開の様子は本当に「みごと、みごと!」(篠田木末)
◉4冊目『たんぽぽ』
明るい黄色でみんなによく親しまれている花だが、知らないことも多いことに気づかされる本だ。とりわけ、4ページにわたって描かれた80㎝を超す根っこの様子は誰もが驚くだろう。
著者の長年にわたる観察と的確な写生によってたんぽぽのたくましい生態が見事に表現されている。自然にいざなう言葉かけもやさしい。(篠田木末)
◉5冊目『葉っぱのあかちゃん』
春をむかえて、芽吹きはじめた葉っぱに焦点を当てた写真絵本。冬芽の中にたたみこまれていた小さな小さな葉っぱが少しずつほぐれていく様子が連続写真で紹介されている。
公園で見つけたイチョウやユリノキ、アジサイなどの葉っぱの赤ちゃんたちの何とかわいらしいこと!さぁ、次はすくすく育った若葉も見に行こう。(篠田木末)
◉6冊目『校庭のざっ草』
校庭や道ばたに自然に生えている身近なざっ草の名前を知って、ともだちになってほしいという思いで作られた、たいへん調べやすい図鑑絵本。
季節や、色、背たけ、つるでのびる、など特徴でまとめられているので、植物のことをあまり知らなくても探せるようになっている。自分で調べて分かる喜びを子どもたちにぜひ体験してほしい。(篠田木末)
◉7冊目『やさいの花』
毎日食卓にのぼり、台所やスーパーの店先でよく目にする野菜。この野菜たちがどんな花を咲かせるかは意外と知られていない。ニンジン、ゴボウ、エンドウ豆などの美しい花に驚き、「野菜も花が咲く植物なんだ!」と、興味をもつきっかけになるだろう。子どもから大人まで一緒に楽しめる本だ。(篠田木末)
◉8冊目『やさいはいきている』
料理した後で棄ててしまう野菜の切れ端も、家庭で簡単に育てることができる。
ニンジンやキャベツ、ダイコンの切れ端から緑の葉っぱがすくすく伸びる様子を毎日楽しく観察できる。ぜひ実際に育てて、野菜が生きていることを実感してほしい。(篠田木末)
◉9冊目『植物あそび』
遠くの山や野原に出かけなくても、身近なところにある草花で色々な遊びができることを教えてくれる本。
ガーデニングや草木染、ジャムの作り方から野草の食べ方、押し花づくり、昔から伝わる草花あそびまで、みんながすぐに遊べて楽しめるよう詳しく描かれているので、どれからやってみようかなとワクワクする。(篠田木末)
◉10冊目『木はいいなあ』
新緑の季節の木は本当に美しくて、タイトルのとおり「木はいいなあ」と大きな声で言いたくなる。夏は木陰をつくってくれるし、木登りもできるし・・と、木がどんなふうにいいかが素直な文とのびやかな絵でつぎつぎに語られ「だから木を植えよう」と結ばれる。
木とともにある歓びがまっすぐに伝わる長く読み継がれた絵本。(篠田木末)
――「科学道100冊」特設サイトから転載