生物全般・恐竜・怪獣に詳しく、多くの恐竜展の監修も務めてきた著者ドクタートミーこと富田京一氏が、分かりやすく最新の恐竜学を解説したこの本は、全漢字ルビ付きで、本文はもちろん、余白の一行恐竜豆知識など、隅々まで楽しめる本です。
「鳥は恐竜そのものだ」から始まり、「恐竜」という言葉を考えたオーウェン博士の話、発見から70年後に、本当はイクメン恐竜だと分かったギリシャ語で「卵+泥棒」を意味するオヴィラプトルなど、それぞれの恐竜の話が、見開き2ページごとにまとめられています。
もしかしたら恐竜の分類がかわるかもしれないという話や、映画『ジュラシック・パーク』に登場したエリマキトカゲのようなヒレから毒を出す獣脚類のディロフォサウルスは、実はヒレはデザイナーの発案で、毒も化石からは見つかっていないなど、興味深く驚きの話がいっぱいです。ちなみに「ロフォ」は「とさか」の意味で、「ディロフォ」は「二つのとさか」という意味だそうです。
恐竜は全て絶滅したわけではなく、鳥として生き残り、現在も1万種以上の鳥類と同じ現代を生きている私たち。一人でじっくり読んでも、友だちと一緒に読んでも楽しめる本です。
(中村涼子)