みなさんは、「自由研究」という言葉にどのようなイメージを持っていますか。
理科の「自由研究」というと、理科の得意な人がやるものだと思っている人は多いと思います。「自由研究」なんて、めんどうくさい、やりたいくない、うんざりだと思っている人は、きっと、多いだろうと思います。
しかし、「自由研究」というものは、ほんとうは楽しいものなのです。わたしたち人間はとても知りたがり屋ですから。ほんとうは、いつでも、どこでも、「自由研究」をしているのです。しかし、学校というところが「自由研究」を堅苦しい、型にはまったものにしてしまったのです。ですから、多くの人が理科嫌いになっているのだと思います。
あなたは、不思議だなとか、おもしろいなとか、美しいなとか、不便だなとか、感じたことはありませんか。あなたは、おかしいなあとか、まちがっているよとか、わからないなあとか、感じたことはありませんか。あなたは、できるようになりたいことはありませんか。できなくて困っていることはありませんか。あなたは、将来、何になりたいですか。
こういう疑問、質問、願望などはすべて、「自由研究」の種です。この種を大切に育てていきましょう。学校に提出する必要はありません。でも、だれもが、こういう疑問、質問、願望の実現のしかたを調べながら、考えながら、実験をしながら、答えを出しながら、答えを訂正しながら、生きています。それが私たち人間が生きているということです。ですから、「自由研究」というのは、特別のことではありません。
この本は、とても、ユニークな、理科の「自由研究」の報告書です。
「Hさんは168グラムのスジコの中にイクラの粒がいくつ入っているか数えました。1505個ありました。」
「Oさんは万歩計をつけて寝てみました。朝までに12歩、歩いていました。」
「Hさんは、スプーンのへこんだ面に顔を写して見ると逆さに大きく見え、ふくらんだ面では小さいけれど逆さにはならないことを発見しました。」
この本には、こんなふうな「小さな大発見」がたくさん紹介されています。おもしろくて、楽しくなりますよ。清邦彦先生の前書きは、ぜひ、読んでください。
科学読物研究会、 根本行雄