タイトルの「もしも地球がひっくり返ったら」が、最初の「もしも」として登場します。地球の磁極が過去に何度も逆転していることや、千葉県にある地層が地磁気逆転の証拠として世界に認められ、地質年代区分に「チバニアン」が加えられたことなどが説明されているのだろうと思いながらページをめくると、「あらゆる〇〇が逆に回転する」「□□も逆に回りだす」といった予想もしなかった驚きの解説が!(〇〇、□□は、本書でご確認下さい)
本書は、地球、宇宙、人の体、自然、身近なもの、の5つの「もしも」で構成されており、例えば「もしも地球が立方体だったら」「もしも雷の電気を集めたら」「もしも毒ヘビが毒ヘビにおそわれたら」「もしも線路の下に砂利がなかったら」など、現実にはありえない疑問から、身近で素朴な疑問まで、たくさんの「もしも」に対し、科学的かつ分かりやすく解説されています。
一問一答形式なので、どこから読んでも楽しめますが、解説を読む前に、自分であれやこれや考えれば、著者の狙い通りに「ものしり博士でなく、自分で気づき、自分で考える習慣を子どものうちに身につけることが、その後の独自性のある創造力につなげられる」のではないかと思います。また、「もしも恐竜の時代に人が生きていたら」、人が恐竜に狙われることは想像出来ても、なぜ狙われるのか、その真の原因は大人でも思いつかない場合が多いことから、大人の知的好奇心も十分に満足させてくれるお薦めの一冊です。
(科学読物研究会 藤高信男)