著者のロバート・ウィンストン教授が科学に興味を持ったのは、7、8歳の頃だったそうです。身近なものを使って自分で実験したり工作するのが何よりおもしろかったという教授が、選りすぐりの28の実験工作を大きな写真やイラスト入りで紹介しています。「食べもので実験しよう」から「おうちにある材料で」「水の世界で」「おうちの外で」とワクワクするような実験が次々に載っていて、どれもこれもやってみたくなります。
たとえば「ねばねばスライム」では、材料や工作の手順を分かりやすく説明したあとに、さらに「どうしてこうなるの?」という疑問に、分子や流体にまで触れながらも簡潔で明快に解説してあります。「あぶり出しインク」「モンスター・マシュマロ」「DNA模型」「ダンシングスネーク」「液体タワー」「空想化石」「風力キャッチャー」などなど、どの実験、工作でも、楽しく遊んでおしまいではなく、短いながらも原理をきちんと説明してあって納得できるし、もっと知りたいという気持ちに繋がっていきます。対象は小学校の低学年から中高生まで、科学や実験、工作そのものを楽しめる本です。同シリーズの『科学のトビラを開く実験・観察大図鑑』もおすすめです。
ウィンストン教授は、「この本で紹介する実験をするということは、身のまわりの世界について学べるだけでなく、科学の冒険に出るってことなんだ」と言っています。さあ、さっそく科学の世界へ冒険に出かけましょう!
科学読物研究会 市川雅子