大竹英洋さんは、ノースウッズを撮影場所とする写真家です。そこは、アメリカ、カナダの国境付近から北極圏にかけて広がる北米の湖水地方で、数え切れないほどの湖が存在し、北国特有の針葉樹やシラカバの混じった森があります。冬の寒さはマイナス30度が当たり前だとか。そして、ここを舞台に、子ども向け月刊誌「たくさんのふしぎ」を4冊書いています。この本は、大竹さんが、初めてノースウッズを旅した1999年5月末から8月末までの冒険物語です。
大竹さんが大学卒業後の進路に悩んでいる時、夢で見たオオカミを調べるうちに、ジム・ブランデンバーグさんの写真集に出会い、弟子入りしようと考えます。わずかな手がかりを頼りに、日本からアメリカへ旅に出たのです。特に、アメリカに着いてからブランデンバーグさんを訪ねるまでの旅が、あまりにもすごいので、お楽しみください。
観測史上最大級のデレーチョ(大規模な直進性の嵐)にも遭いました。その時のすさまじさも読みごたえがあり、将来的にどのような影響を及ぼすのか考えさせられました。
中学2年生の国語の教科書(東京書籍)でも紹介されています。また、大きな影響を受けた、星野道夫さんや、レイチェル・カーソンさんの作品が巻末にまとめられています。あわせて読んで見ましょう。
科学読物研究会 吉長聡子