「電気図鑑」とありますが、楽しいイラストと実験でデンキ読み物としても楽しめます。小学3年生以上が対象となっていますが、大人にとっても面白く読み応えがあります。
本書の主魚公ウナビリーは、600ボルトも発電するデンキウナギ。電気製品の内部を探検したり、体当たりでダークウナビリーと闘います。
第1部は、静電気から始まり、スマホや電気自動車、超電導リニアの動く秘密を明らかにします。電気事故を防ぐ工夫も必読でしょう。
第2部は、世界と日本から見た電気の発明と技術を語ります。電気の偉人たちのユニークなデンキ物語。カエル脚ガルバーニと電堆ボルダとの対決、直流エジソンと交流テスラとの電流戦争。日本の電力安定供給の歴史も振り返ります。
第3部は、目には見えない電流を絵解きします。ウナビリー(電流)とダークウナビリー(電球:抵抗)との対決、そして滑り台の高さ(電池:電圧)を加えた解説で電球や電池の数、並列と直流との違いが良くわかります。
第4部では、発電の仕組みを図解します。電気は貯めておくことができないので、必要量を発電して、送電線で各所に送り続けてなくてはいけません。
第5部では、自分で電気を作る実験が楽しめます。電磁石やレモン電池、アルミレールの上でをアルミパイプを転がせる方法。左手使いのフレミングの法則も活躍します。
11月18日は「電線の日」の日でした。送電線(111)で電気を届ける無限(∞)の先に、あたたかな光が灯ります。
(科学読物研究会 高宮光江)