「一流の科学研究というものは,どのようにしておこなわれるものか。だれも知らなかった新しいことを発見するまでには,どのような失敗と楽しみとがつきものであるか。——こんなことを,〈落下の法則〉(ものの落ちるときの速さの法則)の探究のばあいについて,できるだけくわしく,ごまかさずにえがき出そうとして,この本を書いてみました」
著者の板倉聖宣さんは,はしがきに,こう書いています。
この一流の科学研究をした人は,いまから400年前,紀元1600年ころにイタリアで生まれ育った,ガリレオ・ガリレイという科学者です。「落下運動」について,そのころのヨーロッパでは「重いものほど速く落ちる」と考えられていました。古代ギリシアの学者アリストテレスの主張した説が,2000年もの間,ずっと信じられていたのです。それに対して,「いや,それは違う。真空中ではどんなものも同じ速さで落ちて,速度は落下時間に比例するのだ」ということを,ガリレオは実験によって明らかにしたのです。
その実験って,一体どんなものだったと思いますか? ストップウオッチもない時代に一体どうやってそんな法則を発見できたのでしょう?あなたもガリレオになって,彼が400年前に味わった失敗と楽しみに考えをめぐらせてみませんか。
残念ながら、現在品切れで重版は未定です。図書館で借りて読んでください。
科学読物研究会 川崎浩