「おかあさん、草木染めをやってみようかな」。夏休みの一日、当時小学生だった娘が言いだしました。もう休みも終わりに近づき、自由研究がそろそろ気になりだしてきた頃のことです。そこで図書館で借りてきたのが、『草や木のまじゅつ』です。なんとも、すてきな本の題名にひかれたのかもしれません。表紙や中の写真の糸や布の色の、美しい色にも、魅せられてしまいました。
早速本を見ながら、たまねぎやブドウ、庭の草で染めたハンカチは、使うのがもったいなくて今でもタンスの中に大事にしまっています、娘の貴重な作品です。
その後は私の方が夢中になってしまい、本に出ている草や木を次々と染めてみました。ドングリで染めていると、大昔から人々が行ってきたことを自分もまたやっているのだという感慨にふけります。本当に、自然は素晴らしい魔術師です。本に出ているのと同じ色がでないこともあります。でも、それもまた自然の色なのです。
この本は現在絶版ですので、図書館で借りて読んでください。他にもさ・え・ら書房の『母と子の楽しい草木染め Ⅰ~Ⅲ』林 泣童 著が、とても参考になります。
科学読物研究会 小川真理子