真っ黒な太い線と鮮やかな色で迫力いっぱいの絵本。「ゆび いれたら あかん ビリビリ」と関西弁でテンポよく、電気が日常生活のさまざまな場面で 24 時間使われ続けていることを伝えてくれます。
幼い子どもにとって、目に見えない電気の存在を感じることは難しいでしょう。この本では、初めにコードがびっしり書き込まれたページで、電気が伝わる通り道を見せてくれます。家のリビングや台所で、電気を使う器具はどれなのか、器具とコンセントをコードでつないだ絵が教えてくれます。タコ足配線が少し気になりますが、絵本の中なので目をつぶることにしましょう。家の中ばかりでなく、外で電気を使うものも探します。自動販売機や看板、電気自動車の充電などさまざまなものがあることがわかります。
折りたたまれたページを広げると、地面からてっぺんまでの電柱の姿が現れ、電気が遠くから電線を伝わって運ばれてきたことがわかります。幼い子どもに電気の存在を伝える第一歩になる絵本です。
『でんちゅう』月刊かがくのとも 2008 年 11 月 野坂勇作/著 福音館書店、『電気とじしゃく』シンプル・サイエンスシリーズ マリア・ゴードン/さくマイク・ゴードン/え にしもとけいすけ/やく ひかりのくに も幼い子ども向けです。残念ながらどちらも絶版ですので、図書館でどうぞ。
(坂口美佳子)