◉1冊目『いしのはなし -きれいでふしぎでやくにたつ、ちいさなちきゅう-』
宇宙からやって来た石、地球で一番古い石、大きい石、小さい石、みんな石の仲間だ。石を飲みこんだり、食べものの硬い殻を割るのに石を使う動物がいる。また、石を割って内部を見て驚くのは、自然が造形した綺麗な模様。地球の石のダイナミックな動きとその美しさを精密な絵で描く絵本。(市川雅子)
◉2冊目『なぜこうなった? あの絶景のひみつ』
南米ギアナ高地の2560mの岩山から流れ落ちる滝、アイルランドの「巨人の土手道」と呼ばれるぎっしり並ぶ大きな石の柱、メキシコのナイカ鉱山の11m以上もある巨大な石膏の結晶。そんな世界各地15の絶景は、地球の46億年の歴史の中で作られた。大きな写真でその迫力を実感できる。(市川雅子)
◉3冊目『石はなにからできている?』
月の石は灰色だ。でも地球の石は色とりどり。それはなぜだろう? まず大きな写真で石の特徴を自分の目でじっくり観察してみよう。そこから地球の石の成り立ちをゆっくり解き明かしていくよ。巻末には、石の種類の見分け方、地球の石と水の働きから原子にいたるまで丁寧に解説されている。(市川雅子)
◉4冊目『石の卵』
ただのかたまりにみえる石を割ってみると、それは「ドラゴンの卵」や「雷の卵」だった! 小さな宇宙や地球、何百年、何千年もの時間や歴史がその石の中に密かに隠れていたようだ。神秘的な美しさを内に秘めた、これらの石にまつわるアメリカやニュージーランドの先住民の昔話もおもしろい。(市川雅子)
◉5冊目『世界の鉱物・岩石・化石・貝・大図鑑』
これ1冊で幼児期から大人まで手元に置いて長い間楽しめる。大きな写真がメインで見飽きない。岩石と鉱物の違い、分類・種類やできかたなどの科学的な短い解説がわかりやすい。たとえば「金」の項目では、自然金の結晶、ツタンカーメンのマスクから、宇宙服や人工衛星にまで金が見られる。
★同じ作者でお薦めのもう1冊
『岩石と鉱物 −読む宝石!−』ダン・グリーン/文 サイモン・バシャー/絵 坂口 美佳子/訳 玉川大学出版部 2010年 本体価格1600円
ポップなイラストとユーモラスな語りで鉱物の特徴を楽しく理解できる。 (市川雅子)
◉6冊目『鉱物 -地底からのたより-』
川原の石は、上流の地下にどんな鉱物があるか教えてくれる。火山や温泉で見つかる石は、地球の深いところの様子を伝えてくれる。銅や鉄などの金属を含む鉱物、液体の鉱物、光る石のこと、硬さや色・性質などの鉱物調べのやりかた、好物採集のコツまでくわしくまとめられている。(市川雅子)
◉7冊目『土のコレクション』
1センチの厚さの土ができるのに100年以上かかるという。土の中にも細かい粒子になった石が含まれている。子どもの頃から小石や土器のかけら集めが好きだった栗田さんが日本全国を自転車で走り回って集めた土は1万種類以上。その繊細で豊かな色彩に感動する。土の標本や土の絵の具の作り方もわかる。(市川雅子)
◉8冊目『アンダーアース・アンダーウォーター−地中・水中図絵』
前から開くと地球の地下の様子、後ろから開くと水中の様子が描かれた絵本。たとえば、地下に棲む生き物の暮らしやマリアナ海溝の底のことが大きなサイズのページいっぱいに描かれている。シンプルなイラストを見ていると想像力がふくらんで自分も地球内部や海底にいるような気がしてくる。(市川雅子)
◉9冊目『岩石・宝石ビジュアル図鑑 -理科が楽しくなる大自然のふしぎ-』
キラキラ美しい宝石。鉱物との違いはなんだろう? 大きく美しい写真と解説で、ダイヤモンド、水晶、オパール、エメラルドなどの宝石と、方解石や石膏などの鉱物の特徴や成り立ちの違い・共通点がよくわかる。また、世界各地の砂浜、砂漠の砂の色の違いや性質、鉱物の種類がわかる写真も豊富。
★宝石ならこの本も
『ずかん宝石』飯田 孝一/監修 川嶋 隆義/写真 技術評論社 2012年 本体価格2680円
宝石にまつわる伝説やエピソードがおもしろい!(市川雅子)
◉10冊目『生きものとつながる石ころ探検 −ゲッチョ先生の石ころコレクション− 』
集めるのが大好きなゲッチョ先生が集めに集めた石ころたち。飛んできた石や水に浮かぶ石、生きものがつくる石や砂も。海岸で見つけた変な石をかじった犯人はだれ? また、石で家を作る虫、人間が食べられる石もあるという。石と生きものは40億年のお付き合い。だから石はいろいろ教えてくれるんだね。
★探検するならこの本も
『どうくつをたんけんする』堀内 誠一/さく 福音館書店 2013年 本体価格1300円
登場人物と一緒に洞窟を探検しながら鍾乳洞の成り立ちや歴史がわかる絵本。 残念ながら現在手に入らないので図書館でどうぞ。(市川雅子)
――「科学道100冊」特設サイトから転載