「これからきみにはなすのは、目でみることも耳できくことも、手でさわることも、においをかぐことのできないもののおはなし。」こんな素敵な書き出しで始まる時間のお話は、読む人にこれからどんなことを教えてくれるのでしょうか。
時間をきちんと計るのには、心臓の動きやろうそくに印をつけて燃えていく様子を調べるよりもやっぱり時計が便利です。時計の針が、「チック タック」と動いたら、もう1秒は経っているように、とても短い時間を計る単位の「秒」から「分」、「時間」と時間の単位はページをめくるごとに大きくなっていきます。ページごとにその時間で人ができること、動物ができること、昆虫ができることなども紹介されています。さらに、時間の単位は大きくなり、「1日」「1週間」「1ケ月」「1年」・・・とどんどん大きくなっていきます。
時計を使わなくても感じられる季節のような時間の流れ、どれだけ年をとったか感じる時間、過去・現在・未来という時間の感じ方を考えられるように本の内容は進んでいきます。
「時間」と言っても、いろいろな感じ方があって、こうして過ごしている今は一瞬一瞬の積み重ねなのだということを教えてくれる本です。
科学読物研究会 澤本早苗