赤ちゃんから大人まで楽しめる画期的な、仕掛け科学絵本ができました!「なんじゃ なんじゃ このあな なんじゃ」という繰り返しの文章。リズムが良く、つい「なんじゃ なんじゃ」と口ずさみたくなります。その頁にある穴を見つけて、仕掛けを下にめくると、「すなはまの だんごむし ハマダンゴムシ じゃ〜!」という具合に、それぞれ特徴のある穴の断面の様子と棲んでいる生きものが現れます。
この絵本の舞台となる干潟とは、海の水が引いたときに現れる砂や泥の海岸のことです。三番瀬(千葉県)など、全国に 100 ヶ所以上あります。登場する生き物は、どれも干潟に棲むユニークな生き物ものばかり。これらの生き物が、かわいらしくデフォルメされていますが、それぞれの特徴をしっかりとらえています。
巻末には、本文に登場する生き物、干潟の詳しい解説があり、干潟の環境を守っていきたいという著者の思いが伝わってきます。さらに干潟について詳しく知りたい人向けに、小学生には、干潟観察で使える「干潟ベントスしたじき」(仮説社)、「ネオぽけっと-海辺の生物」(小学館)をおすすめします。「このあな なんじゃ」をきっかけに、干潟の魅力にどっぷりはまってください。
科学読物研究会 吉長聡子