私たち人間が見ている世界は、他の動物たちにはどのように見えているのだろう。そんな想像をしたことはありませんか? 『仕掛絵本図鑑 動物の見ている世界』ギヨーム・デュプラ/文・絵 渡辺滋人/訳、創元社、2014年11月、2700円+税 白い建物、その向こうに広がる森、色とりどりの花や様…
イワシ、サンマ、アジ、サバのくらしと一生を通して、魚がどういう生き物で海でどんな暮らしをしているのかを教えてくれる読み物です。 『身近な魚のものがたり イワシ・サンマ・アジ・サバのふしぎ』小泉光久/文、高山ケンタ/絵、河野博/監修、くもん出版、2012年4月、1300円+税 魚は、人間…
岩崎書店の〈よみきかせ いきものしゃしんえほん〉シリーズは、日本に生息する小さな生きものたちの誕生や成長の様子を記録した写真絵本です。表紙をめくると、見返しの2頁で、タイトルの生きものがどんな場所に生息しているのかが一目で分かります(モンシロチョウの場合は菜の花畑です)。その風景のほとんどが、失わ…
語りかけるような真鍋先生の解説はわかりやすく、どのページにも大きなカラー写真やイラスト、図がいっぱいで、初めて恐竜の本を読む人から詳しい人まで楽しめる本です。真鍋博士がWebと対面で実施した子ども向けの6回の連続講座がもとになっていますが、この本の読み手が真鍋先生と一緒に、本の中で学び、自分で発見…
物語は約46億年前、宇宙に地球が誕生したところから始まります。それから長い時間をかけて地球に海ができ、海の中に目に見えないほどの小さな生き物が現れたのはみなさんもご存知のことでしょう。しかし、「骨」があることは当たり前ではなかったようです。一体、海のどのような環境が魚たちに「骨」をもたらし、海を離…
水面から立ち上る霧に朝日が当たり、真っ赤に染まった湖面。その中に浮かびあがる羽を広げたシルエット。幻想的な写真からこの本は始まります。 『ハクチョウ』竹田津実/文・写真、アリス館、2007年2月、1400円+税 著者の竹田津実さんは九州の出身。獣医師として北海道に赴任し、キタキツネや北…
人喰いザメ「ジョーズ」の映画で有名なホホジロザメ「ホオジロサメ」の生態を描いた絵本です。オットセイに気づかれないように真下から一気に上昇して噛みつく場面は迫力満点です。 『ホホジロザメ』<福音館の科学シリーズ>沼口麻子/文、関俊一/絵、福音館書店、2022年6月、1800円+税 「ホオ…
私は小学校で理科を子どもたちに教えています。時々、授業で白衣を着ると子どもたちは「先生、科学者みたいだね。」と喜んでくれます。また、フラスコなどのガラス器具の実験も子どもたちが喜びます。それらの器具を使う時、子どもたちは「科学者になったみたいで楽しい」と言います。どうやら子どもたちの科学者のイメー…
この本の著者は、トイレにウンコをする意味を真剣に考えた結果、「糞土師(ふんどし)」として40年以上ノグソを続けてきました。食べた命を自然に還すことにつながるからです。 『ウンコロジー入門』(偕成社、2020年)伊沢正名/著、偕成社、2020年1月、1500円+税 ノグソあとには様々な生…
表紙、それにつづく数ページにわたってちりばめられた、虹色のガラス細工。形もさまざまで、不思議な美しさ。これらは0.1ミリにもみたない珪藻の殻をならべた顕微鏡写真です。作品をつくった著者の奥修さんは、珪藻の研究者で、このように珪藻をならべた作品(珪藻アート)をつくる人は世界に数人しかいないそうです。…