毎日、月を見ていておもしろいのは、毎日少しずつ形が変わっていく所ではないでしょうか。それでは、月はなぜ満ちかけをするのでしょうか。そのことについても、この本は教えてくれます。
まず、この本では形が変わっていく時、見える月の名前を知ることができます。満月、三日月などはよく聞く名前だと思いますが、それだけではなく、見える形によって様々な名前があります。私達が半月と呼ぶ月も、右と左どちらが見えているかによって名前が変わります。その他にも、立待月、居待月、寝待月など昔の人がつけた月の名前はどれも素敵です。一つ一つの名前の由来も本を読むとわかります。
日本人宇宙飛行士としての初めてをたくさん体験してきた若田さん。この本を読む人たちにはできるだけ宇宙のこと、宇宙飛行士の仕事のことを紹介したいと、自身の体験を詳細に語っている。宇宙飛行士候補者としての訓練の様子や、2009年の国際宇宙ステーション長期滞在を中心に、宇宙飛行士としての仕事や宇宙での生活を紹介する。ロボットアームを操作し、日本の実験棟「きぼう」を完成させる過程はミッション・スペシャリストとしての能力を最大限に発揮した仕事だろう。
この本でわかることの2つ目は、どのような順番で月が変わっていくのかです。新月と呼ばれる月が見えない時から、月が少しずつ見えるようになり、月の形が変わっていきます。それぞれの形についての説明やその月の形に関わる話がくわしく載っています。例えば、満月の所では、お盆のことについて書いてあり、満月の形に関わることが色々とわかり、とても楽しくなってきます。
この本を読んでいくと、今日の月の形はなんだろうと気になり、月を眺めたくなります。月を見る前、見た後どちらでも開いて月の形を確かめたくなる、この本はそんな本なのです。
科学読物研究会 林田真治