世の中に出回っている紙の中で、一番身近な紙といえば、トイレットペーパーではないでしょうか?この写真絵本では、トイレットペーパーを学校の廊下を使って実際に長く伸ばしてみたり、ペットボトルの水をすべて吸わせてみたりと、普段とは違う使い方で色々な実験をしています。簡潔な文章で小学校低学年から楽しめ、トイレットペーパーの特徴や性質がよくわかります。
先日、小学生に読み聞かせをした時は、トイレットペーパーに卵を落とす場面で歓声があがり、吸水を試す場面で、子どもたちは息をのんでいました。その中のひとりは、実際にトイレットペーパーの上に卵を落としてみたそうで、何枚重ねるのか、高さはどうするかを母親と相談したこと、とてもドキドキしたことを、楽しそうに教えてくれました。
うしろのページには、製紙会社から一問一答形式の解説があり、現在のトイレットペーパーに使用されているリサイクル紙の割合や、日本で最初のトイレットペーパーなどの情報が載っています。高学年位からの調べもの学習の手引きになりそうです。ひとりが1回に使用する長さや、国による仕様の違いは、大人でも発見がありそうです。
科学読物研究会 三田律子