この本は、科学の絵図解シリーズの一冊であり、「光がないとなんにも見えないって本当?」「どうして太陽はまぶしいの?」「どうして雨の日は太陽がいないの?」「葉っぱはどうして緑ばっかりなの?」など、身近な光の不思議をわかりやすく解説した科学絵本です。
まず表紙を開くと、7㎝ほどの太陽の絵が目に入ります。太陽の光を示す黄色い線をたどると、なんと35ページ先の最終ページの地球を示す1㎜程度の小さな点まで続いており、太陽と地球の大きさの違い、両者の距離を体感させてくれます。もうこれだけで、「わぁ、面白そう!」と光の世界にぐいっと引き込まれます。
内容は光に限らず、「見える」ということに対して目と脳がどのように関わっているか、古代文明における「影の文化」や「影を使った測量技術」などについても、絵をふんだんに用いて解説されており、子どもだけでなく、大人も光に関するいろいろな不思議を楽しむことができます。
また、「くまたろう博士の黒板」というコラムが随所にあり、キツネの嫁入りや江戸時代の影絵あそびなどについての説明や、「ためして遊ぼう」というコラムでは、鏡や虫めがねを使った実験も紹介されており、楽しく光を学べるように工夫された本です。
科学読物研究会 藤高信男