見開きにひとつの建築物をとりあげて、イラストと文章でその特徴や建築 家について教えてくれる絵本です。ピラミッドやギリシャ神殿などの古代建 築から、フランク・ロイド・ライトやル・コルビュジエ、アントニ・ガウディ などの近・現代建築など、時代を彩った画期的な建築を紹介しています。
例えば、パリのシャルトル大聖堂。高層ビルに負けないくらい高く、サッカ ー場よりも大きい教会を、当時の人々が手作業で作ったそうです。ゴシック様 式の大聖堂には、176 ものたくさんの窓があり、巨大な飛び梁や柱で建物を強 化していたのだとか。
また、オーストリアの建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが作った集合住 宅は、「自然と調和する」ことをテーマに、自然界には存在しない直角や直線のない建物を デザインしたそうです。扉や窓など、どのように作られたか興味がわきますね。
そして、巻末の「建物の移り変わり早見図」は、紀元前 1 万年前から現在・未来までの建 築を年表にしたもので、その時代にどんな様式の建物が作られたか知ることが出来ます。
この本は、小屋、家、墓、宮殿、劇場、競技場、橋など、あらゆる建物を「歴史の記録」 としてとらえた、建物についての入門書です。タイトル通り、子どもにも大人にも興味深い 内容です。
科学読物研究会 五味 紀子