この本の舞台は、作者、松岡達英さんの新潟県川口町のアトリエ。『ずかん』という書名ですが、父と息子が一年間を通し、山の小屋の周りの自然で遊んだり、自然を観察したりするという設定で書かれた科学絵本です。
たとえば、こんなこと。
春・・・池でアカガエルやオオサンショウウオの卵を見つけ、水槽で育てる。ペットボトルでトラップをつくってしかけたら、ニホンイモリやタイコウチやコガタノゲンゴロウが獲れた。
夏・・・近所のおじさんに、ねぎでキリギリスを釣るやり方を教わり、近所で採れたものを使うお料理の仕方を教わった。
秋・・・山には色とりどりの木の実やきのこがたくさん。食べられるきのこと毒のあるきのこがあるので要注意。
冬・・・わらじの作り方を教わったり、雪でかまくらを作って遊んだり、雪の上の動物の足跡を発見したり、木の芽を見て回ったり。
この本を見ていると、自然の中へ出かけてみたくなります。自然の遊びがこんなに素敵なんだと教えてくれる本です。外で遊ぶのには、もってこいの季節です。さあ、外へ出かけてみましょう。
科学読物研究会 金澤 磨樹子