すばる望遠鏡の計画から携わった研究者が、完成までの過程やエピソード、その後の観測成果と展望を伝えます。
国内の施設はレンズも小さく、光害や天候のために、世界の天体観測界から遅れをとっていました。そこで、観測条件の良いハワイの高地に計画されたのです。口径8.2m大型レンズはコンピューターで変形を修正し、外を覆う建物は熱のこもらない構造、装置自動交換機構、補償光学装置など世界初で最高の技術が集結し完成しました。1998年のファーストライト以来、鮮明で広範囲な宇宙の画像は、宇宙の謎解明をすすめており、新たな天体観測時代の幕開けです。
宇宙を理解したいという目的のために、多様な才能をもつ人々—国内外の研究者やメーカーの技術者の協力がすばらしい。ここで宇宙の謎に挑むなんて、わくわくします。読者から挑戦する人が現れるかもしれません。
科学読物研究会 増本裕江